高井ヘラー由紀(協力宣教師)

派遣国:台湾/台南

Profile

神奈川県出身。1989年に受洗。
国際基督教大学キリスト教と文化研究所、米国ハーバード大学神学大学院ポスト・ドクトラル・フェロー、台湾中央研究院近代史研究所、明治学院大学キリスト教研究所、中華民国外交部Taiwan Fellowship Program(長栄大学、台南神学院)に所属し研究。
キリスト教史学会、日本台湾学会、台湾基督教史学会会員。
恵泉女学院大学、明治学院大学、筑波大学にて教鞭を執る。
2018年より、台南神学院/南神新学院神学研究所助理教授。
2021年より、台南神学院図書館長。

「証」

皆様初めまして。2023年初めに協力宣教師として迎えていただきました、高井ヘラー由紀と申します。現在私は、台湾最大のプロテスタント教会「台湾基督長老教会」に属する「南神神学院」(通称:台南神学院)で教師をしています。台湾基督長老教会と宣教協力関係にある日本基督教団から信徒派遣宣教師として派遣されていますが、アンテオケの祈りの輪に加えていただけましたことを大変嬉しく思っています。
私はカトリック教会で育ち、小学生の頃に献身の思いを与えられました。教会を離れていた中高生時代を経て、中国語で礼拝をしている福音派の東京国際基督教会に導かれ、改めてイエス・キリストを救い主として受け入れ、結婚までの信仰生活を過ごしました。

国際基督教大学入学後はKGK に導かれ、メンバーの友人たちと聖書研究や祈りに多くの時間を過ごす中で、「全生活を通しての証」の重要性を学びました。一方、大学の授業を通してアカデミックなキリスト教からも多くを学び、大学院に進んでから「日本の教会の戦争責任」について考えさせられ、博士課程進学後、指導教授のアドバイスにより台湾キリスト教の研究を始めました。

1998-1999 年、博士論文の資料収集のために1 年間滞在した台南神学院で、後に院長となった王崇堯牧師より、「将来、日本基督教団の宣教師になって戻ってきてここで教えたらいいよ」と言われました。帰国後、ダニエル・ヘラー(現在は中央大学特任教授)との結婚に導かれ、夫の所属する日本基教団に転入会しました。2004 年に博士号を取得したのちは出産・子育てに追われ、ついに2013 年、思い切って家族と一緒に半年間台湾に滞在して研究をしました。その際、台南神学院に挨拶に行ったところ、院長になっていた王崇堯牧師から開口一番、「由紀、いつ来られますか?」と聞かれて驚きました。今更、と内心思ったものの、とっさに「次に来られるとしたら2018年です」と答えていました。

そこから夫との話し合い、台湾の恩師との相談、たくさんの方々に祈ってもらう中で、道が徐々に整えられ、本当に2018年3月に日本基督教団から信徒宣教師として派遣していただく運びとなりました。同年8月、正式に台南神学院の助理教授に就任した後は、中級の下程度の中国語のレベルで神学院の講義をこなすという緊張の連続で寝不足の毎日でしたが、皆様の祈りと、文字通り不可能を可能とする主の御力に支えられ、この夏で満5年となりました。神学院の働きと並行して、近くの国際教会「Tainan International Community Church」の働きにも導びかれ、牧会チームのメンバーとして奉仕しています。

宣教師としての働きの中で大事にしているみ言葉は、「慰めよ、わたしの民を慰めよ」(イザヤ書40:1)です。台湾の社会は表面的には明るく元気に見えても、植民地支配の歴史的な傷は今でも台湾社会や人々の潜在的な記憶の中に残っています。与えられた神学校での働きを通して、主の慰めを台湾の人々や社会に送り届けたいと願っています。

台南神学院 南神神学院
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