井野 葉由美


派遣国:ドイツ/ハンブルク
Profile
ドイツ留学中(声楽)にキリストに出会う。
2006年より北ドイツの邦人宣教に従事。ハンブルク日本語福音キリスト教会牧師。
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ハンブルク日本語福音キリスト教会ホームページ http://www.nd-jcf.de/

「憎しみを育てない」
ロシア・ウクライナ間の戦争は長期化し、先が見えない状態です。戦争勃発と同時に、ドイツ政府は難民が押し寄せる事を想定して、そのための予算をすぐに計上しました。また様々な団体が難民支援のために動いています。ウクライナの子どもたちは、すでにインターナショナルスクールや現地学校で学び始めており、私の知人の中にも自宅に難民ファミリーを受け入れている人がいます。この辺りの対応の早さは、今までのシリア難民受け入れの経験があるからでしょう。
ドイツにはロシア人もウクライナ人も多く住んでいます。それぞれを支持するデモがドイツ各地で行われていますが、祖国同士が戦争していてもドイツに住む両者が互いを敵とみなすことが無いように祈っています。物価が上昇しエネルギー不足が懸念されるにつれ、一般の人々の心にも怒りや憎しみが育ってきているように感じます。アウグスブルクという町にある「アウグスブルク祈りの家」のリーダーのハートル師はカトリック出身ですが、キリスト者が教派を超えて心を一つにして祈りをささげることをモットーにしています。これまでにもカトリック、プロテスタント、正教、メシアニック・ジューを含めて、祈りの日を呼びかけてきました。今回はエペソ書6章12節から「キリスト者の戦いは、政治、民族、イデオロギーではない。人の心を欲や憎しみで支配しようとする暗闇の力に、イエス・キリストの御名によって対抗するのだ。暗闇の力に負けてはいけない。憎しみを捨て、平和のためにキリスト者が一致して祈ろう」と全ヨーロッパに同時刻祈祷を呼びかけました。折しもミュンヘン日本語教会では毎週水曜20時~20時半のオンライン祈祷会が始まり、幼稚園生も参加して一緒に祈ってくれています。現時点ではまだ停戦は実現していませんが、89年のベルリンの壁崩壊がライプツィヒのニコライ教会の祈り会から始まったように、今回もロシア・ウクライナ双方の、そして全世界のキリスト者の祈りが国を動かすことを願い、これからも祈ります。




